はじめての発達検査

予約から半年待ちだった発達支援センターでの面談日。
「2才の子はこういうものですよ」と軽くあしらわれてしまうのではと心配していました。
わたしは保健師さんにヒルマの成育過程を、母子手帳とぼやけた記憶を頼りに答え、ヒルマは心理士さんと遊びながら発達検査を受けました。
これが、とにかく長かった!40分?50分?1時間?
原因は完全にヒルマで、走り回ったり、話しかけられても聞いてなかったり。
挙句、最後まで検査を続けることができなかったという始末(笑)
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多数派の子どもは大人の都合に合わせている
発達検査を終えるとすぐに心理士さんから説明がありました。
「子どもは大人の言うことを聞かず、自分勝手なように見えますが、
たとえば好きなおもちゃで遊んでいるときに大人に話しかけられると、子どもは『しかたないなあ、聞いてやるか』といった感じで、話を聞いてくれます。
じつは子どもは大人の都合に合わせてくれているんです。だから集団保育が可能なんです」
その解説にわたしは大いにおどろきました。心理士さんは続けました。「そしてその行動が、ヒルマ君には見られません」
親の対応や環境のせいではない
ヒルマはわたしの見ているものに視点を合わせるのがむずかしいこと、それは親の対応や環境のせいではなく生まれつきであることを説明されました。
わたしはあたまの中がぐらんぐらんしました。でも、たまたま今はその部分の発達が遅れているだけで、これから追いつくとは考えられないのですか?
わたしの質問に心理士さんは大変答えにくそうでした。「この年齢で、そういった発達が見られないということは……」
ということは、発達障害なのだと理解しました。
ガマンさせるというしつけ

心理士さんとこんなやりとりもありました。「ヒルマくんを連れて買い物に行ったときに、お店で駄々をこねたり、床に寝転がって泣いたりすることはありますか?」
じつは意外にも(笑)一度もありません。
種を明かせば、騒ぎ出すまえに持参していたお気に入りのおもちゃを渡したり、それが安価であれば欲しい物をひとつだけ選ばせたり、お菓子で気を引いてみたりと、あの手この手でその場をごまかしていたのです。
しつけにはなっていないと思うのですがと苦笑いで答えると、「それでいいんです。それがヒルマくんの特性に合った対応なんです」と説明されました。
がまんすることを教えなければという焦りが消えました。
当時2才でしたが、5才前には事前に約束したり、なぜ買えないのか説明することでがまん出来るようになっていました。時々ヒルマの説得の方がうまくて、特別に買ってもらえる日があったりしましたが(笑)
わたしでなければもっと上手く育てられたのでは
心理士さんと話しながら、わたしはヒルマひとりに疲れ切っているのに、何人も子どものいるお母さんは本当にすごいと思うし、子育て経験の豊富なお母さんだったら、もっと上手く育てられたのだろうと考えて哀しくなりました。
「これまでに5人の子育てをしてきたお母さんでも」心理士さんが言いました。
「ヒルマくんには育てにくさを感じます。どうもこの子は勝手がちがうと。じつは子育てはもっと楽なんです。発達障がいの子とそうでない子を育ててみると、その違いがはっきりわかるんです」
もうひとり育ててみたい! 一瞬そう思いました。
が、すぐに考え直しました。もしもまたヒルマと同じように眠れない子が生まれたら…。二人目は諦めました。
ブログで公表することについて
発達障がいがわかったとき、ブログに書くことで「うちの子もそうかも」と不安になる方がいらっしゃるのではと、申し訳なく思いました。
睡眠や言葉の遅れについて、「うちも同じです」とメッセージをくださる方が多かったからです。
でも今は、ちょっと考えがちがいます。
何度叱っても言うことを聞かない、子育てが楽しいと思えないのは、あなたのせいでも子どもが悪いのでもなくて、おばあちゃんやママ友も経験していない、これまで読み漁った育児書には載っていない事情があるのかもしれません。
ここまで、長くなってしまいましたが「発達障がいに気づくまでのこと」を読んでいただきありがとうございました。